Niイオンをドープした超伝導体CeCoIn5における超伝導相の上部臨界磁場と磁気量子臨界点の強い結びつき

 私たちが行ったNiイオンをドープしたCeCoIn5に対する電気抵抗の研究によって、この物質が持つ反強磁性量子臨界点は超伝導の対破壊と結びついているユニークな特徴が明らかになりました。この系では、Niイオンドープによって超伝導は抑制されていきますが、磁気量子臨界点に起因する電気抵抗の異常は、常に超伝導上部臨界磁場と等しい磁場で発生します。今回明らかになったこの特徴は、非従来型超伝導体CeCoIn5における様々な異常超伝導物性をもたらす原因の一つであると期待されます。

 これらの研究成果は、アメリカ物理学会が発行するPhysical Review Materials誌に以下のレター論文として掲載されました。


A. Yashiro, Rahmanto, K. Inami, K. Suzuki, K. Inoh, T. Takahashi, R. Koizumi, Y. Kono, S. Kittaka, Y. Shimizu, F. Honda, D. Aoki, K. Tenya, and M. Yokoyama:
"Quantum criticality linked to the suppressed superconducting upper critical field in Ni-doped CeCoIn5",
Physical Review Materials 8, L081801 (2024).

* 下線は研究室所属メンバー

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