不純物イオンの占有位置に強く依存する超伝導秩序

 重い電子系超伝導体CeCoIn5では、超伝導を担うCeの4f電子に通常の3次元的相関に比べ2次元的な電子相関が存在することが期待され、それがこの系の特異な超伝導物性と密接に関係していると考えられています。しかし、その全容はまだ明らかになっていません。今回、私たちは積層構造を持つCeCoIn5の結晶においてCeInレイヤーに属していないCoレイヤーに、不純物としてNiイオンを混入した系での超伝導特性を初めて明らかにしました。CoイオンをNiイオンに置換すると超伝導秩序は単調に抑制されますが、その効果はCeInレイヤーに不純物を同程度置換した場合に比べてかなり緩やかになります。このことより、CeCoIn5の超伝導発現には、CeInレイヤー間をまたぐ電子相関に比べ、CeInレイヤー内での電子相関が重要であることが示唆されます。

 これらの研究成果は、日本物理学会が発行するJournal of the Physical Society of Japan誌に以下の論文として出版されました。


R. Otaka, M. Yokoyama, H. Mashiko, T. Hasegawa, Y. Shimizu, Y. Ikeda, K. Tenya, S. Nakamura, D. Ueta, H. Yoshizawa, and T. Sakakibara:
"Superconductivity and Non-Fermi-Liquid Behavior in the Heavy-Fermion Compound CeCo1-xNixIn5",
Journal of the Physical Society of Japan 85, 094713-1-7 (2016).

* 下線は研究室所属メンバー

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